昨日、一昨日(3月4日、5日)2日間にわたり、
UFTという、日本が開発した世界に誇れる経口抗癌剤の、
「効かないクスリ」と酷評され、苛め抜かれた不遇な生い立ち、
更に、「まったく効かない、毒にもクスリにもならないタダのキノコ」と、
偉~いセンセイ方から今なお、さげすまれている、
クレスチンという免疫活性賦活剤について、
書きました。
そして、一部の医者からは評判は悪かったけれども、
患者さんの目から見たら、
実は、とっても素晴らしいクスリ、
非の打ち所が無いようなクスリと、
少々持ち上げ過ぎたように思います。
UFTの副作用については簡単に書きましたが、
知られている副作用はまだまだ他にもたくさんあります。
その他の副作用については、UFTのホームページでも見て頂ければ詳しく出ています。
少量で長期間内服を続けた場合に、
よく観られる患者さんを悩ませる副作用だけを書きました。
しかし、実は、この両方のクスリには、その身体的な副作用ではない、
非常に深刻な問題が潜んでいます。
現在のガン治療において、避けては通れない問題です。
それは、医療費です。
UFTは100㎎1カプセル326.4円です。
それを一日2~4カプセルの内服だと652.8円 ~ 1305.6円。
それを一月30日飲むと、19584円 ~ 39168円。
現在の健康保険3割負担ですと、薬剤費用だけで5875円 ~ 11750円になります。
更に消化器系の副作用の少ないUFT顆粒だと
100㎎ 412.5円 ですからそれの約25% 増しになります。
この負担が年単位で続くことになります。
更に、クレスチンでは、1g 602.5円で、それを一日3gが標準量です。
一月あたり54225円、自己負担は16267円になります。
クレスチンは今でこそ600円代になりましたが、
かつては1g 1000円を超え、年間売り上げは500億円を上回っていたクスリです。
かつて、私が相当数の患者さんにそれらの、
「効かないクスリ」をドンドン使っていた時代は、(今でもですが…)
薬価はもう少し高かったのですが、
本人負担割合が、健康保険本人1割、
65歳以上(東京都の場合)一月あたり支払い上限が5000円、
という恵まれた医療費の補助がありました。
更に、日本の景気も今ほど悪くはなく、
自己負担がイクラを超えたら、その規定を超えた分だけ、
保険組合が組合員に還付する医療費(還付金)も少なくありませんでした。
従って、さほど支払われる医療費を気にする必要もありませんでした。
しかし、今は違います。
多くの場合、患者さんの医療費負担は重く家計にのしかっかっています。
UFTには再発予防効果も、延命効果もあります。
クレスチンは再発予防効果については、
私個人的な感触としては、確実にあると感じていますが、
科学的なデータはまだ出ていません。
延命効果は科学的に証明されています。
しかし、その再発予防、延命効果という、
「漠然とした治療効果」に対して、
この値段が、高いか、安いかを判断されるのは、勿論患者さん自身です。
標準的抗癌剤治療では、1回の費用は、内服より遥かに高くつきます。
しかし、その抗癌剤治療があたれば、憎きガンのカタマリが、
画像診断上で縮小していることが確認できます。
すなわち、患者さんご自身の目で、効果が確認できます。
また同時に、その治療を受けた患者さんには、
もれなく副作用がついてきます。
そのように、「辛い思いまでして、ガン治療をしているという実感」はあります。
この実感があると、その治療費用は、何となく納得できるのではないでしょうか?
一方、副作用がなく、効いているのか、いないのかまったく判らない治療では、
その治療費用も、納得するのは難しいかもしれません。
患者さんご自身の心の中で整理して下さい。
もっとも、現在のガン患者さんの7割以上が、
何らかの健康食品を愛用しているという統計データもありますが、
そして、その健康食品は一般的に非常に高価です。
それから考えると、科学的にも効果が証明されている治療であれば、
高くはないように思います・・・・
クレスチンは、何万円もするアガリクスを飲むよりは、
もし、自費で買ったとしても、トクだと思います。
但し、「一月あたり54225円」の負担が安いか、高いかは、
個人の価値観です。
私は、かつて膵ガン手術後の患者さんで、
「毎月200万円分の健康食品を飲んでいる」という患者さんを診たことがあります。
2年間で5000万円近く使ったそうです。ビックリしました。
しかし「最近、経済的に大変になってきた」というので、
(普通は一月で大変になると思いますが・・・・)
何を飲んでいるのか教えてもらい、ドンドン減らしていきました。
結局一月30万円にまで減らしても、まったく変化はなく、
「もっと減らせる」と言ったのですが、
「これ以上少なくすると不安だから」
「これくらいの値段なら苦にならない」
ということで、その金額の健康食品を続けることになりました。
その患者さんは、
都内の某大学病院で手術を受け、
手術後、主治医に再発の可能性が極めて高いと随分脅かされ、
散々健康食品を飲まれてから、私のもとに来られた、患者さんですが、
手術記録を見ると、恐らく手術で完全切除に成功していたものと思われます。
確かに膵ガンは、完全切除をしても、再発確率は高いのですが、
確率が高いということは、再発をしない患者さんも存在するということです。
恐らくその患者さんは、再発をしない完全切除が遂行されていたのだと思われます。
この患者さんは、特別ですが、
多くのガン患者さんは経済的にも、
大きな負担を強いられているはずです。
決められた予算内で、最善の治療を選択して頂きたいと思います。
私の考えは、そうだからこそ、
2月14日の「製薬会社の社会貢献」で書きましたとおり、
働きながら、
ガン患者としてではなく、
普通の一社会人として生活できる治療
が理想だと考えています。
本日は、ガン治療において、非常に重要な問題である、
医療費について書きました。
このことについては、まだまだ書きたいことがたくさんあります。
後日続きを書きます。
以上 文責 梅澤 充
UFTという、日本が開発した世界に誇れる経口抗癌剤の、
「効かないクスリ」と酷評され、苛め抜かれた不遇な生い立ち、
更に、「まったく効かない、毒にもクスリにもならないタダのキノコ」と、
偉~いセンセイ方から今なお、さげすまれている、
クレスチンという免疫活性賦活剤について、
書きました。
そして、一部の医者からは評判は悪かったけれども、
患者さんの目から見たら、
実は、とっても素晴らしいクスリ、
非の打ち所が無いようなクスリと、
少々持ち上げ過ぎたように思います。
UFTの副作用については簡単に書きましたが、
知られている副作用はまだまだ他にもたくさんあります。
その他の副作用については、UFTのホームページでも見て頂ければ詳しく出ています。
少量で長期間内服を続けた場合に、
よく観られる患者さんを悩ませる副作用だけを書きました。
しかし、実は、この両方のクスリには、その身体的な副作用ではない、
非常に深刻な問題が潜んでいます。
現在のガン治療において、避けては通れない問題です。
それは、医療費です。
UFTは100㎎1カプセル326.4円です。
それを一日2~4カプセルの内服だと652.8円 ~ 1305.6円。
それを一月30日飲むと、19584円 ~ 39168円。
現在の健康保険3割負担ですと、薬剤費用だけで5875円 ~ 11750円になります。
更に消化器系の副作用の少ないUFT顆粒だと
100㎎ 412.5円 ですからそれの約25% 増しになります。
この負担が年単位で続くことになります。
更に、クレスチンでは、1g 602.5円で、それを一日3gが標準量です。
一月あたり54225円、自己負担は16267円になります。
クレスチンは今でこそ600円代になりましたが、
かつては1g 1000円を超え、年間売り上げは500億円を上回っていたクスリです。
かつて、私が相当数の患者さんにそれらの、
「効かないクスリ」をドンドン使っていた時代は、(今でもですが…)
薬価はもう少し高かったのですが、
本人負担割合が、健康保険本人1割、
65歳以上(東京都の場合)一月あたり支払い上限が5000円、
という恵まれた医療費の補助がありました。
更に、日本の景気も今ほど悪くはなく、
自己負担がイクラを超えたら、その規定を超えた分だけ、
保険組合が組合員に還付する医療費(還付金)も少なくありませんでした。
従って、さほど支払われる医療費を気にする必要もありませんでした。
しかし、今は違います。
多くの場合、患者さんの医療費負担は重く家計にのしかっかっています。
UFTには再発予防効果も、延命効果もあります。
クレスチンは再発予防効果については、
私個人的な感触としては、確実にあると感じていますが、
科学的なデータはまだ出ていません。
延命効果は科学的に証明されています。
しかし、その再発予防、延命効果という、
「漠然とした治療効果」に対して、
この値段が、高いか、安いかを判断されるのは、勿論患者さん自身です。
標準的抗癌剤治療では、1回の費用は、内服より遥かに高くつきます。
しかし、その抗癌剤治療があたれば、憎きガンのカタマリが、
画像診断上で縮小していることが確認できます。
すなわち、患者さんご自身の目で、効果が確認できます。
また同時に、その治療を受けた患者さんには、
もれなく副作用がついてきます。
そのように、「辛い思いまでして、ガン治療をしているという実感」はあります。
この実感があると、その治療費用は、何となく納得できるのではないでしょうか?
一方、副作用がなく、効いているのか、いないのかまったく判らない治療では、
その治療費用も、納得するのは難しいかもしれません。
患者さんご自身の心の中で整理して下さい。
もっとも、現在のガン患者さんの7割以上が、
何らかの健康食品を愛用しているという統計データもありますが、
そして、その健康食品は一般的に非常に高価です。
それから考えると、科学的にも効果が証明されている治療であれば、
高くはないように思います・・・・
クレスチンは、何万円もするアガリクスを飲むよりは、
もし、自費で買ったとしても、トクだと思います。
但し、「一月あたり54225円」の負担が安いか、高いかは、
個人の価値観です。
私は、かつて膵ガン手術後の患者さんで、
「毎月200万円分の健康食品を飲んでいる」という患者さんを診たことがあります。
2年間で5000万円近く使ったそうです。ビックリしました。
しかし「最近、経済的に大変になってきた」というので、
(普通は一月で大変になると思いますが・・・・)
何を飲んでいるのか教えてもらい、ドンドン減らしていきました。
結局一月30万円にまで減らしても、まったく変化はなく、
「もっと減らせる」と言ったのですが、
「これ以上少なくすると不安だから」
「これくらいの値段なら苦にならない」
ということで、その金額の健康食品を続けることになりました。
その患者さんは、
都内の某大学病院で手術を受け、
手術後、主治医に再発の可能性が極めて高いと随分脅かされ、
散々健康食品を飲まれてから、私のもとに来られた、患者さんですが、
手術記録を見ると、恐らく手術で完全切除に成功していたものと思われます。
確かに膵ガンは、完全切除をしても、再発確率は高いのですが、
確率が高いということは、再発をしない患者さんも存在するということです。
恐らくその患者さんは、再発をしない完全切除が遂行されていたのだと思われます。
この患者さんは、特別ですが、
多くのガン患者さんは経済的にも、
大きな負担を強いられているはずです。
決められた予算内で、最善の治療を選択して頂きたいと思います。
私の考えは、そうだからこそ、
2月14日の「製薬会社の社会貢献」で書きましたとおり、
働きながら、
ガン患者としてではなく、
普通の一社会人として生活できる治療
が理想だと考えています。
本日は、ガン治療において、非常に重要な問題である、
医療費について書きました。
このことについては、まだまだ書きたいことがたくさんあります。
後日続きを書きます。
以上 文責 梅澤 充