本日は、昨日の嵐がウソのように、
抗癌剤点滴の患者さんは約半分でした。
ガンの種類も昨日とはまったく違い、
11名も診た乳ガンはゼロ、
8名の胃ガンも今日は2名、
昨日1名だった大腸ガンが6名・・・・
毎日バラエティーに富んでいて飽きません・・・!?
この程度の人数ならば、
ゆっくり診察することができます。
と言っても、皮肉なことに本日の患者さんは、
あまり悩む方は多くはなかったのですが・・・・
ところで、本日も、だましだまし、
効かないはずの量の抗癌剤でダラダラと(?)、
1年以上治療を続けている患者さんが来られました。
変化無しの状態が続いている患者さんです。
その1年と言う数字は、
標準的抗癌剤治療での、
そのガンの生存期間中央地を越えています。
しかし、今も継続されているその治療は、
抗癌剤治療の効果判定基準では、
「無効」です。
ガンの縮小は見られていませんので、
腫瘍の縮小の有無のみで、
有効・無効を判断する判定基準では、
患者さんが、副作用という苦痛を伴うことなく、
どれだけ長生きしても「無効」と判定されます。
馬鹿げています。
「副作用無く」と言いましたが、
今日来られた患者さんの中には、
残念ながら非常に大きな副作用を伴っている患者さんもいました。
癌○病院で、「そんな量では効かないよ」
とお墨付きをいただいた患者さんですが、
ガンは消えて見えなくなっています。
PET検査でも何も出てきません。
腫瘍マーカーも完全に正常化し、
ガンの存在を疑わせるものは無くなっているのですが、
「ガンが治った」と考えるのは、
常識から大きく外れるので、
半年ほど前から、
抗癌剤の点滴のインターバルを少しずつ延ばして、
現在は4週間に一回だけ、
それも、イリノテカン1回10mg
とシスプラチン10mgだけの点滴です。
それでも、激しい吐き気が襲ってきて、
点滴の後、一日は嘔吐に悩まされると言います。
常用量の十分の一以下でです。
その患者さんは、
ガンだけをみると最高の状態を保っているので、
抗癌剤治療を完全に止めてしまうことは躊躇してしまいます。
「ガンが治ったかもしれない」
というご褒美の代償として、
一月に一日だけは我慢してもらっています。
ステロイドを使えば、
その吐き気は抑えられると思われますが、
現在の状態が形成されている最大の原動力は免疫だと考えられますので、
ステロイドを使うくらいなら、
その患者さんにとっては、
抗癌剤治療を止めたほうがマシだと思われます。
話はそれましたが、
ダラダラと、
抗癌剤治療をしているのか、いないのか分からないような量の抗癌剤で
治療を続けていると、
ガンは大きくも小さくもならず、
時間だけがダラダラと過ぎていくことは珍しくありません。
中には前出の患者さんのように著明にガンが縮小する患者さんもいます。
そして、ほとんどの患者さんでは、
強い副作用を伴うことはありません。
日常生活に支障を来たすことはありません。
ダラダラと過ぎ行く時間は、
患者さんにとっては極めて貴重な時間です。
残念ながら「変化無し」とはいかなくても、
ガンの増大スピードが鈍くならない患者さんはほとんどいません。
増大スピードが鈍った分だけ、
患者さんは長生きできます。
寿命を縮めるような副作用はありませんから、
不幸にしてガンの増大を完全に止めることができなくても、
ラクな治療では延命が可能だと思われます。
事実、生存期間中央治療よりも短く終わる患者さんはごく僅かです。
たしかに、治療を行っている医者としても、
その治療を受けている患者さんも、
精神的にはスッキリはしません。
強い副作用が出るとか、
ガンが一時的にせよ素早く縮小するとか、
治療経過にもっとメリハリがあると、
患者も医者も、
「治療をしている。」「治療を受けている。」
という実感が沸くと思います
しかし、冷静に現実を見つめると、
標準的抗癌剤治療よりはラクに長生きしている。
ラクな治療の方がトクだと思います。
画像診断上、
ガンが面白いように縮小する標準的抗癌剤治療も経験してきた医者にとっては、
かなり、物足りない気分もあるのですが、
患者さんの現実を見ると、
現在の治療を続けてるべきだと考えます。
以上 文責 梅澤 充
抗癌剤点滴の患者さんは約半分でした。
ガンの種類も昨日とはまったく違い、
11名も診た乳ガンはゼロ、
8名の胃ガンも今日は2名、
昨日1名だった大腸ガンが6名・・・・
毎日バラエティーに富んでいて飽きません・・・!?
この程度の人数ならば、
ゆっくり診察することができます。
と言っても、皮肉なことに本日の患者さんは、
あまり悩む方は多くはなかったのですが・・・・
ところで、本日も、だましだまし、
効かないはずの量の抗癌剤でダラダラと(?)、
1年以上治療を続けている患者さんが来られました。
変化無しの状態が続いている患者さんです。
その1年と言う数字は、
標準的抗癌剤治療での、
そのガンの生存期間中央地を越えています。
しかし、今も継続されているその治療は、
抗癌剤治療の効果判定基準では、
「無効」です。
ガンの縮小は見られていませんので、
腫瘍の縮小の有無のみで、
有効・無効を判断する判定基準では、
患者さんが、副作用という苦痛を伴うことなく、
どれだけ長生きしても「無効」と判定されます。
馬鹿げています。
「副作用無く」と言いましたが、
今日来られた患者さんの中には、
残念ながら非常に大きな副作用を伴っている患者さんもいました。
癌○病院で、「そんな量では効かないよ」
とお墨付きをいただいた患者さんですが、
ガンは消えて見えなくなっています。
PET検査でも何も出てきません。
腫瘍マーカーも完全に正常化し、
ガンの存在を疑わせるものは無くなっているのですが、
「ガンが治った」と考えるのは、
常識から大きく外れるので、
半年ほど前から、
抗癌剤の点滴のインターバルを少しずつ延ばして、
現在は4週間に一回だけ、
それも、イリノテカン1回10mg
とシスプラチン10mgだけの点滴です。
それでも、激しい吐き気が襲ってきて、
点滴の後、一日は嘔吐に悩まされると言います。
常用量の十分の一以下でです。
その患者さんは、
ガンだけをみると最高の状態を保っているので、
抗癌剤治療を完全に止めてしまうことは躊躇してしまいます。
「ガンが治ったかもしれない」
というご褒美の代償として、
一月に一日だけは我慢してもらっています。
ステロイドを使えば、
その吐き気は抑えられると思われますが、
現在の状態が形成されている最大の原動力は免疫だと考えられますので、
ステロイドを使うくらいなら、
その患者さんにとっては、
抗癌剤治療を止めたほうがマシだと思われます。
話はそれましたが、
ダラダラと、
抗癌剤治療をしているのか、いないのか分からないような量の抗癌剤で
治療を続けていると、
ガンは大きくも小さくもならず、
時間だけがダラダラと過ぎていくことは珍しくありません。
中には前出の患者さんのように著明にガンが縮小する患者さんもいます。
そして、ほとんどの患者さんでは、
強い副作用を伴うことはありません。
日常生活に支障を来たすことはありません。
ダラダラと過ぎ行く時間は、
患者さんにとっては極めて貴重な時間です。
残念ながら「変化無し」とはいかなくても、
ガンの増大スピードが鈍くならない患者さんはほとんどいません。
増大スピードが鈍った分だけ、
患者さんは長生きできます。
寿命を縮めるような副作用はありませんから、
不幸にしてガンの増大を完全に止めることができなくても、
ラクな治療では延命が可能だと思われます。
事実、生存期間中央治療よりも短く終わる患者さんはごく僅かです。
たしかに、治療を行っている医者としても、
その治療を受けている患者さんも、
精神的にはスッキリはしません。
強い副作用が出るとか、
ガンが一時的にせよ素早く縮小するとか、
治療経過にもっとメリハリがあると、
患者も医者も、
「治療をしている。」「治療を受けている。」
という実感が沸くと思います
しかし、冷静に現実を見つめると、
標準的抗癌剤治療よりはラクに長生きしている。
ラクな治療の方がトクだと思います。
画像診断上、
ガンが面白いように縮小する標準的抗癌剤治療も経験してきた医者にとっては、
かなり、物足りない気分もあるのですが、
患者さんの現実を見ると、
現在の治療を続けてるべきだと考えます。
以上 文責 梅澤 充