10月12日の「脆弱な日本の医療」で、
「日本は、安価で医療を受けることができる幸せな国」
のようにも見えますが、
それは、
「安い医療しか与えられていない」
ということです。
ということを書きました。
「安い医療」で大きな問題は、時間です。
一人の患者さんにかけることができる時間が、
まったく足りないのです。
ガン治療を進めているとき、
はじめのうちは良いのですが、
長い時間が経過してくると、
使ったクスリの種類も増えてきて、
何時どのクスリを使って、
その結果ドウであったという流れが、
複雑になってきます。
一発勝負でアタリかハズレしかない、
標準的抗癌剤治療では、
あまり治療経過について考えることもなさそうですから、
時間はさほど必要ないかも知れませんが、
標準的ではない抗癌剤治療では、
何種類ものクスリを使うので
それを、いちいちすべて覚えていることは、
私のような悪いアタマでは事実上不可能です。
逐一カルテと検査結果をひっくり返して見直さなければなりません。
これはケッコウ骨の折れる、時間のかかる仕事です。
本来、すべての患者さんに、
抗癌剤の点滴治療のたびごとに、
その操作を繰り返さなければならないのですが、
そんな時間はとても確保できません。
経過の見直し、治療の練り直しは、
ガンが悪化を示している患者さんだけに限定されてしまいます。
それでも、十分な時間の確保はなかなか難しいものがあります。
そもそも、十分な時間とはどれくらいなのか、
きまりはありませんが、
長く考えれば考えるだけ、
私の良くないアタマでも、
何らかの考えが、
一滴二滴と搾り出されてきます。
欧米の多くの国では、
抗癌剤治療を行うときには、
一人の医者は一日数人の患者さんだけしか診ないそうです。
しかも、複数科の医者の合議で治療が決められていくことも多いと聞きます。
NHKが盛んに宣伝している
羨ましい、理想的な医療ですが、
日本では有り得ない話です。
一人の患者さんに時間をかければそれだけお金もかかります。
日本にはその財源がありません。
欧米では、お国が定めた健康保険ではなく、
患者さんが独自に掛け金を支払う個人補償保険で負担されます。
保険料に比例した保険の補償内容により、
面倒をみてもらえる内容も変わります。
NHKの推奨する医療を受けている患者さんは
相当高額の保険料を支払っていると思います。
あるいは、日本とは比較にならないほど
高い税金から捻出されます。
日本のようにすべての患者さんを平等に
健康保険が丸が抱えしているわけではありません。
本日たまたま、
「ハーセプチンが効かなくなったら、次は如何するのですか?」
と、聞かれた患者さんがいます。
ハーセプチンが効かなくなったなら、
タイカーブというクスリがあります。
現在何人かの患者さんが使っていますが、
輸入しなければなりません。
当然とても高額になります。
それを説明すると、
「日本のガン医療は欧米に比べて
30年遅れていると、テレビで言っていた」
と、その患者さんは言われていました。
30年は大げさだと思いますが、
新薬の認可に関しては3年以上は遅れていると思います。
治験の患者さんがすぐに集まる欧米と、
保険制度の普及から、
それを行い難い日本との違いはありますが、
大きいのは医療費財源の問題だと思います。
欧米と保険制度が違います。
日本で新薬を承認すれば、
それは、即保険適応を意味します。
すなわち、新薬の値段の7割は健康保険が負担することになります。
さらに、ほとんどの分子標的薬などは、
非常に高額ですから、
高額医療に該当して、
高額医療費の規定額を超えた分は患者さんに戻されます。
場合により健康保険が9割以上も面倒をみるかたちになってしまいます。
それでは、保険財政は即座に破綻すると思います。
欧米とはお金の流れが根本的に違います。
しかし、大きく違うのはお金の問題だけです。
日本では、輸入すればその手数料だけは余計にかかりますが、
何時でも誰でも使えるのですから、
治療が、欧米より遅れているということはないと思います。
話は大きく逸れましたが、
十分に取れない時間を有効活用するには、
患者さんご本人や、ご家族の協力が大きな力を発揮することがあります。
それは、今も、何人ものご本人やご家族が、
作成されていますが、
治療の経過表を作ることです。
その表は、
診察のときに大きな威力を発揮します。
大幅な時間の短縮と、
今後の正確な進路の開拓に結びつきます。
抗癌剤○○を△△mgと××を▼▼mg使ったときに
ガンはドウ動いたか、
何か副作用はあったか、
白血球、血小板の数はどうなったか、
本来医者がするべきことですが、
感心するほど事細かに記載されている方もおられます。
それは、今後の治療を考える上で大きな武器です。
どの主治医にとっても同じだと思います。
その表を見せれば、(コピーをして医者に渡す)
その医者も手抜きはできなくなります。
極めて貧しい日本の医療です。
患者さんやご家族の小さな努力も、
大きな力になります。
以上 文責 梅澤 充
「日本は、安価で医療を受けることができる幸せな国」
のようにも見えますが、
それは、
「安い医療しか与えられていない」
ということです。
ということを書きました。
「安い医療」で大きな問題は、時間です。
一人の患者さんにかけることができる時間が、
まったく足りないのです。
ガン治療を進めているとき、
はじめのうちは良いのですが、
長い時間が経過してくると、
使ったクスリの種類も増えてきて、
何時どのクスリを使って、
その結果ドウであったという流れが、
複雑になってきます。
一発勝負でアタリかハズレしかない、
標準的抗癌剤治療では、
あまり治療経過について考えることもなさそうですから、
時間はさほど必要ないかも知れませんが、
標準的ではない抗癌剤治療では、
何種類ものクスリを使うので
それを、いちいちすべて覚えていることは、
私のような悪いアタマでは事実上不可能です。
逐一カルテと検査結果をひっくり返して見直さなければなりません。
これはケッコウ骨の折れる、時間のかかる仕事です。
本来、すべての患者さんに、
抗癌剤の点滴治療のたびごとに、
その操作を繰り返さなければならないのですが、
そんな時間はとても確保できません。
経過の見直し、治療の練り直しは、
ガンが悪化を示している患者さんだけに限定されてしまいます。
それでも、十分な時間の確保はなかなか難しいものがあります。
そもそも、十分な時間とはどれくらいなのか、
きまりはありませんが、
長く考えれば考えるだけ、
私の良くないアタマでも、
何らかの考えが、
一滴二滴と搾り出されてきます。
欧米の多くの国では、
抗癌剤治療を行うときには、
一人の医者は一日数人の患者さんだけしか診ないそうです。
しかも、複数科の医者の合議で治療が決められていくことも多いと聞きます。
NHKが盛んに宣伝している
羨ましい、理想的な医療ですが、
日本では有り得ない話です。
一人の患者さんに時間をかければそれだけお金もかかります。
日本にはその財源がありません。
欧米では、お国が定めた健康保険ではなく、
患者さんが独自に掛け金を支払う個人補償保険で負担されます。
保険料に比例した保険の補償内容により、
面倒をみてもらえる内容も変わります。
NHKの推奨する医療を受けている患者さんは
相当高額の保険料を支払っていると思います。
あるいは、日本とは比較にならないほど
高い税金から捻出されます。
日本のようにすべての患者さんを平等に
健康保険が丸が抱えしているわけではありません。
本日たまたま、
「ハーセプチンが効かなくなったら、次は如何するのですか?」
と、聞かれた患者さんがいます。
ハーセプチンが効かなくなったなら、
タイカーブというクスリがあります。
現在何人かの患者さんが使っていますが、
輸入しなければなりません。
当然とても高額になります。
それを説明すると、
「日本のガン医療は欧米に比べて
30年遅れていると、テレビで言っていた」
と、その患者さんは言われていました。
30年は大げさだと思いますが、
新薬の認可に関しては3年以上は遅れていると思います。
治験の患者さんがすぐに集まる欧米と、
保険制度の普及から、
それを行い難い日本との違いはありますが、
大きいのは医療費財源の問題だと思います。
欧米と保険制度が違います。
日本で新薬を承認すれば、
それは、即保険適応を意味します。
すなわち、新薬の値段の7割は健康保険が負担することになります。
さらに、ほとんどの分子標的薬などは、
非常に高額ですから、
高額医療に該当して、
高額医療費の規定額を超えた分は患者さんに戻されます。
場合により健康保険が9割以上も面倒をみるかたちになってしまいます。
それでは、保険財政は即座に破綻すると思います。
欧米とはお金の流れが根本的に違います。
しかし、大きく違うのはお金の問題だけです。
日本では、輸入すればその手数料だけは余計にかかりますが、
何時でも誰でも使えるのですから、
治療が、欧米より遅れているということはないと思います。
話は大きく逸れましたが、
十分に取れない時間を有効活用するには、
患者さんご本人や、ご家族の協力が大きな力を発揮することがあります。
それは、今も、何人ものご本人やご家族が、
作成されていますが、
治療の経過表を作ることです。
その表は、
診察のときに大きな威力を発揮します。
大幅な時間の短縮と、
今後の正確な進路の開拓に結びつきます。
抗癌剤○○を△△mgと××を▼▼mg使ったときに
ガンはドウ動いたか、
何か副作用はあったか、
白血球、血小板の数はどうなったか、
本来医者がするべきことですが、
感心するほど事細かに記載されている方もおられます。
それは、今後の治療を考える上で大きな武器です。
どの主治医にとっても同じだと思います。
その表を見せれば、(コピーをして医者に渡す)
その医者も手抜きはできなくなります。
極めて貧しい日本の医療です。
患者さんやご家族の小さな努力も、
大きな力になります。
以上 文責 梅澤 充



