ある患者さんから、
「私が入れている静脈注入ポートはガンが治るまで使えるのですか?」
と聞かれました。
絶句してしまいました。
「感染を起こすまでは使えますよ」
としか、答えられませんでした。
「治る」と信じている患者さんに
いきなり「治ることはありません」
とは言えませんでした。
いずれ日を改めて説明しますが・・・・
乳ガンからの多発肺転移の患者さんです。
治る病気ではないことは、
1年以上前に来られたときから何度も説明しています。
一時期は劇的に快方に向かった時期もありますが、
再度悪化に転じました。
健康保険で使える有効な抗癌剤も無くなってしまいました。
2年近く前の元の病院での病理検査では、
ハーセプテストというハーセプチンが有効か否かの検査で、
スコア0 すなわち「効果無し」との判定でしたが、
抗癌剤治療をズット続けているので、
変化している可能性もあり、
再度調べてみると、
ハーセプチンが有効であることが分かり、
使い始めたところ、
とても良く効いてくれています。
確実な延命効果はあると思います。
しかし、治ることはほとんど考えられません。
ガンの縮小、
腫瘍マーカーの減少を見ると、
「治る」と考えてしまう、
というより、
そう考えたいのだと思います。
強い願望の現われだと思います。
11月2日の「鋭いご指摘」
で紹介したように、
「保険外のクスリに高いお金を払って、
それが効かなかったら、
インチキ療法と同じに見られしまう」
という趣旨のコメントをいただきました。
この患者さんの場合は、
ハーセプチンは健康保険で使えますが、
健康保険の適応の無い高額な薬剤を使い、
効果が出なかったら、
ドウ思われてしまうのでしょうか。
恐ろしくなります。
というより、
はじめから「治る」と信じ込んで治療している患者さんに対して
「治ることはない」
「長く生きるための治療」
という大前提の受けとめ方から違っていたら、
高額な保険適応外の薬剤はすべて、
インチキ治療と誤解されかねません。
現在、どの抗癌剤もまったく効いてくれなかった胃ガンに対して、
ハーセプチンが極めて良く効いてくれている患者さんがいますが、
「治る」と思われていないか心配になります。
当然ハーセプチンは乳ガン以外には保険適応はありません、
そして自費ですから非常に高額になります。
身体に害は無く、
ガンの著明な縮小が見られますから、
延命効果は大きく期待できるとおもいますが、
治るとは・・・・
その他、タイカーブが有効な大腸ガンや、
ゼローダやジェムザールでの卵巣ガン、膀胱ガンなどなど、
保険外治療薬での有効症例は数え切れません。
しかし、治る患者さんは
ごくごく僅か・・・・・
すべての皆さんに、
大前提はしつこく説明して、
ご理解いただいていると思いますが、
治るという願望があまりにも強すぎると、
「治るという願望」→ 「治るに違いない」→ 「治るはずだ」→ 「治る!」
と、アタマの中で勝手に、
ガンが治ることになってしまいます。
それはある意味幸せなことかも知れませんが、
真実を知らないとうことは不幸なことだと思います。
また、患者さんがどこまで病気のことを理解されているかにより、
医者の側からの治療方法の提示の仕方も変わってきます。
ご自身の病態を誤解されている患者さんでは、
標準的抗癌剤治療だけをしていくことが、
医者にとっては一番無難です。
ほとんどの病院で標準的抗癌剤治療だけしか行われない背景には、
このような患者さんの誤解もあるように思います。
以上 文責 梅澤 充
「私が入れている静脈注入ポートはガンが治るまで使えるのですか?」
と聞かれました。
絶句してしまいました。
「感染を起こすまでは使えますよ」
としか、答えられませんでした。
「治る」と信じている患者さんに
いきなり「治ることはありません」
とは言えませんでした。
いずれ日を改めて説明しますが・・・・
乳ガンからの多発肺転移の患者さんです。
治る病気ではないことは、
1年以上前に来られたときから何度も説明しています。
一時期は劇的に快方に向かった時期もありますが、
再度悪化に転じました。
健康保険で使える有効な抗癌剤も無くなってしまいました。
2年近く前の元の病院での病理検査では、
ハーセプテストというハーセプチンが有効か否かの検査で、
スコア0 すなわち「効果無し」との判定でしたが、
抗癌剤治療をズット続けているので、
変化している可能性もあり、
再度調べてみると、
ハーセプチンが有効であることが分かり、
使い始めたところ、
とても良く効いてくれています。
確実な延命効果はあると思います。
しかし、治ることはほとんど考えられません。
ガンの縮小、
腫瘍マーカーの減少を見ると、
「治る」と考えてしまう、
というより、
そう考えたいのだと思います。
強い願望の現われだと思います。
11月2日の「鋭いご指摘」
で紹介したように、
「保険外のクスリに高いお金を払って、
それが効かなかったら、
インチキ療法と同じに見られしまう」
という趣旨のコメントをいただきました。
この患者さんの場合は、
ハーセプチンは健康保険で使えますが、
健康保険の適応の無い高額な薬剤を使い、
効果が出なかったら、
ドウ思われてしまうのでしょうか。
恐ろしくなります。
というより、
はじめから「治る」と信じ込んで治療している患者さんに対して
「治ることはない」
「長く生きるための治療」
という大前提の受けとめ方から違っていたら、
高額な保険適応外の薬剤はすべて、
インチキ治療と誤解されかねません。
現在、どの抗癌剤もまったく効いてくれなかった胃ガンに対して、
ハーセプチンが極めて良く効いてくれている患者さんがいますが、
「治る」と思われていないか心配になります。
当然ハーセプチンは乳ガン以外には保険適応はありません、
そして自費ですから非常に高額になります。
身体に害は無く、
ガンの著明な縮小が見られますから、
延命効果は大きく期待できるとおもいますが、
治るとは・・・・
その他、タイカーブが有効な大腸ガンや、
ゼローダやジェムザールでの卵巣ガン、膀胱ガンなどなど、
保険外治療薬での有効症例は数え切れません。
しかし、治る患者さんは
ごくごく僅か・・・・・
すべての皆さんに、
大前提はしつこく説明して、
ご理解いただいていると思いますが、
治るという願望があまりにも強すぎると、
「治るという願望」→ 「治るに違いない」→ 「治るはずだ」→ 「治る!」
と、アタマの中で勝手に、
ガンが治ることになってしまいます。
それはある意味幸せなことかも知れませんが、
真実を知らないとうことは不幸なことだと思います。
また、患者さんがどこまで病気のことを理解されているかにより、
医者の側からの治療方法の提示の仕方も変わってきます。
ご自身の病態を誤解されている患者さんでは、
標準的抗癌剤治療だけをしていくことが、
医者にとっては一番無難です。
ほとんどの病院で標準的抗癌剤治療だけしか行われない背景には、
このような患者さんの誤解もあるように思います。
以上 文責 梅澤 充



