昨日「標準的抗癌剤治療について」
などと偉そうなことを書きましたが、
それに対して、
「エビデンスは最低限必要なこと」
というコメントをいただきました。
そのとおりです。
昨日の続きのようになりますが、
エビデンスに対する私の考えかたを書きます。
コメントのとおり、
「エビデンスは最低限必要です。」
しかし、実際の患者さんのガン治療において、
どの場面でエビデンスが必要になるのでしょうか。
先ず、医学の進歩のためには絶対に必要です。
エビデンスの積み重ねで、
より良い治療方法が生み出されてきます。
これは、後世の患者さんにとってとても大切なことです。
しかし、今治療中の患者さんにはドウでもいいことです。
私も、エビデンスを無視はしていません。
どの治療が一番大きな治療効果を期待できるか、
その時に使われる抗癌剤の量は個々の患者さんに合わせるとして、
その治療で使われる抗癌剤の組み合わせはどうなっているのか、
などは、大いに参考にして、
個々の患者さんの抗癌剤治療を組み立てていきます。
そのときにはエビデンスは重要です。
「エビデンスが無いからそんな治療はできない」
という言葉はよく聞きます。
しかし、これから抗癌剤治療を受ける
私の目の前のたった一人の患者さんに対してのエビデンスなど、
何処にも存在しないのです。
エビデンスから得られることは、
その治療を行ったならば、
どの程度の確率で効果が期待できるか、
どのくらいの期間生きていることができるのかが、
推測されるだけです。
たった一人の患者さんに対して、
その治療が有効か無効かは、
実際に行ってみなければ分からないのです。
標準的抗癌剤治療では、
その治療を受けた患者群と
無治療の患者群を比較して、
○○カ月延命できる、
ということは、
エビデンスとして判明しています。
しかし、エビデンスのあるどの標準治療でも
それを受けた患者群の中には、
「治療関連死」といわれる、
「抗癌剤治療の副作用死」をした患者さんも
1%程度は含まれます。
そして、抗癌剤治療が無効であり、
無治療よりも寿命を縮めた患者さんも多数存在しています。
目の前のたった一人の患者さんが、
それら不幸な機転を辿らないという保障はまったく無いのです。
エビデンスで保障してくれるのは、
その治療で得する確率だけです。
同時にそこには損をする確率も示されていますが、
何故か、治療前にそれはあまり提示されません。
エビデンスが無い治療、
すなわち、治療効果が、
科学的な解析のもとには確認されていない治療では、
その確率が担保されていない。
ということです。
しかし、エビデンスのある治療とて、
一人の患者さんの治療効果を保障するものではありません。
エビデンスのある治療とて、
抗癌剤治療は所詮、博打でしかありません。
勝率6割の馬が必ず勝つとは限りません。
その最高勝率を誇る馬に、
全財産を賭けてしまうのが、
正しいことでしょうか。
その馬券はたとえ当たったとしても、
一般的に大した収入にはなりません。
しかも、外れれば、破産です。
肺ガンの標準的抗癌剤治療などでは、
1回の博打だけで破産宣告を受ける患者さんを
何人も見てきました。
抗癌剤治療での賭け金は、
患者さんの身体そのものです。
文字通り身を削っての治療です。
エビデンスという名前だけで、
そこに全財産を注ぎ込むのは、
その勝率、配当金など、
分かる限りのことを調べて、
その数字に納得してからにした方が、
悔いが残らないと思います。
エビデンスは、
一人の患者さんの治療効果を保障するものではありません。
そのガンの患者さんが
数千人数万人集まったならば、
その集団にエビデンスのある均一治療を実行した場合の
治療効果を示しているだけに過ぎません。
集団に対してのエビデンスなどなくても、
個々の患者さんを診ながら、
逐一それに合わせて治療を進める方が、
遥かにトクであるように思います。
エビデンスの意味をよく考えて、
世界に一人しかいない、
ご自身の治療を決めてください。
以上 文責 梅澤 充
などと偉そうなことを書きましたが、
それに対して、
「エビデンスは最低限必要なこと」
というコメントをいただきました。
そのとおりです。
昨日の続きのようになりますが、
エビデンスに対する私の考えかたを書きます。
コメントのとおり、
「エビデンスは最低限必要です。」
しかし、実際の患者さんのガン治療において、
どの場面でエビデンスが必要になるのでしょうか。
先ず、医学の進歩のためには絶対に必要です。
エビデンスの積み重ねで、
より良い治療方法が生み出されてきます。
これは、後世の患者さんにとってとても大切なことです。
しかし、今治療中の患者さんにはドウでもいいことです。
私も、エビデンスを無視はしていません。
どの治療が一番大きな治療効果を期待できるか、
その時に使われる抗癌剤の量は個々の患者さんに合わせるとして、
その治療で使われる抗癌剤の組み合わせはどうなっているのか、
などは、大いに参考にして、
個々の患者さんの抗癌剤治療を組み立てていきます。
そのときにはエビデンスは重要です。
「エビデンスが無いからそんな治療はできない」
という言葉はよく聞きます。
しかし、これから抗癌剤治療を受ける
私の目の前のたった一人の患者さんに対してのエビデンスなど、
何処にも存在しないのです。
エビデンスから得られることは、
その治療を行ったならば、
どの程度の確率で効果が期待できるか、
どのくらいの期間生きていることができるのかが、
推測されるだけです。
たった一人の患者さんに対して、
その治療が有効か無効かは、
実際に行ってみなければ分からないのです。
標準的抗癌剤治療では、
その治療を受けた患者群と
無治療の患者群を比較して、
○○カ月延命できる、
ということは、
エビデンスとして判明しています。
しかし、エビデンスのあるどの標準治療でも
それを受けた患者群の中には、
「治療関連死」といわれる、
「抗癌剤治療の副作用死」をした患者さんも
1%程度は含まれます。
そして、抗癌剤治療が無効であり、
無治療よりも寿命を縮めた患者さんも多数存在しています。
目の前のたった一人の患者さんが、
それら不幸な機転を辿らないという保障はまったく無いのです。
エビデンスで保障してくれるのは、
その治療で得する確率だけです。
同時にそこには損をする確率も示されていますが、
何故か、治療前にそれはあまり提示されません。
エビデンスが無い治療、
すなわち、治療効果が、
科学的な解析のもとには確認されていない治療では、
その確率が担保されていない。
ということです。
しかし、エビデンスのある治療とて、
一人の患者さんの治療効果を保障するものではありません。
エビデンスのある治療とて、
抗癌剤治療は所詮、博打でしかありません。
勝率6割の馬が必ず勝つとは限りません。
その最高勝率を誇る馬に、
全財産を賭けてしまうのが、
正しいことでしょうか。
その馬券はたとえ当たったとしても、
一般的に大した収入にはなりません。
しかも、外れれば、破産です。
肺ガンの標準的抗癌剤治療などでは、
1回の博打だけで破産宣告を受ける患者さんを
何人も見てきました。
抗癌剤治療での賭け金は、
患者さんの身体そのものです。
文字通り身を削っての治療です。
エビデンスという名前だけで、
そこに全財産を注ぎ込むのは、
その勝率、配当金など、
分かる限りのことを調べて、
その数字に納得してからにした方が、
悔いが残らないと思います。
エビデンスは、
一人の患者さんの治療効果を保障するものではありません。
そのガンの患者さんが
数千人数万人集まったならば、
その集団にエビデンスのある均一治療を実行した場合の
治療効果を示しているだけに過ぎません。
集団に対してのエビデンスなどなくても、
個々の患者さんを診ながら、
逐一それに合わせて治療を進める方が、
遥かにトクであるように思います。
エビデンスの意味をよく考えて、
世界に一人しかいない、
ご自身の治療を決めてください。
以上 文責 梅澤 充



