標準的抗癌剤治療を続けていくと、いずれは必ずこの言葉に出会います。
「もはや治療方法はありません」という常套句です。
そしてそれに追い討ちをかけるように、
「あと○ヶ月(週)くらいでしょう。」
「ホスピスに行くことを勧めます」
などの、決まり文句が続きます。
確かに、後半の追い討ちの言葉は、真実かも知れません。
無治療でいればほとんどの場合ガンは必ず進行し、
遠くない将来、患者さんの命を奪ってしまいます。
ましてや、標準的抗癌剤治療で散々痛めつけられた身体ですから、
長く生命を維持することは難しいはずです。
しかし、はじめの常套句「治療方法が無い」は、本当でしょうか。
その言葉を発した主治医に
「あなたのご家族でも諦めますか?」
と聞いて下さい。
「ハイ」とは言わないでしょう。
何らかの、奥の手を考えるはずです。
「もはや治療方法はありません」という言葉には、
重要な単語が抜けています。
正確には「もはや標準的な治療方法はありません」
です。
確かに、標準的抗癌剤治療は、
1月18日の「緩和医療」で説明した、
PS(パフォーマンス ステイタス)が0〜1 という、
ガンを背負っていても、全身状態は非常に良く、
普通の日常生活がほとんど不自由なくおくれる患者さんだけが、
治療の対象ですから、
辛く苦しい標準的抗癌剤治療を行なって、
一時は無症状であったガンが縮小するも、
エビデンスどおりに、その抗癌剤が効かなくなり、
ガンが増大してきて、自覚症状を出すような状態に至るという、
標準的抗癌剤治療のお決まりのコースを辿った場合。
まったくエビデンスどおりの教科書的なコースを辿った場合。
「辿った場合」というより、すべての患者さんが「必然的にそうなる」
訳ですが、何れにせよ、
患者さんは抗癌剤の副作用とガンの増大という二重苦に苦しめられ、
PS は治療開始前より遥かに低下していますから、
当然ながら、標準的抗癌剤治療の対象にはなりません。
そこで、標準的抗癌剤治療だけを至高の治療と思い込んでいる、
腫瘍内科医の最後のお仕事である、
「もはや治療方法はありません」という決まり文句の宣告が
ご家族だけを別室に呼び出し、厳かに執り行われます。
○○がんセンターなどのように、
残酷にも、患者さん本人に宣告される場合もあります。
しかし、それは逆に言えば、「標準的ではない治療ならばあります」になります。
しかし、「エビデンスの無い治療はしてはいけない。」と考えておられる、
腫瘍内科医の先生から見ると、その様な言葉は口が腐っても出てきません。
実際に、「もはや治療方法はありません」と、大学病院やがんセンターなどで、
冷たく言い放たれたそのあと、1年以上、長い患者さんでは5年も6年も
元気に自宅で生活されている患者さんを現在でも何人も診ています。
それらの患者さんでは、「治療法が無い」と言われた時より、
皆さん元気になって自宅で生活しています。
残念ながら、一人としてガンが治った患者さんはいませんが、
元気に治療を続けています。
「治療法が無い」などということは、有り得ません。
確かに、全身状態が低下した患者さんでは、
大量の抗癌剤を使う治療は不可能でしょう。
しかし、治療を中止したならば、
間違いなく最悪の結末が○ヶ月後に待っています。
何らかの治療をしたところで、
最悪の結末を見るまでの時間を長くするだけ
かも知れません。
しかし、もしかしたらその結末が遥か先に延ばされる可能性だってあるはずです。
ガン治療は諦めてしまったならばすべてお終いです。
エビデンスのある治療は存在しないことは事実ですが、
そこに至るまで行なってきた標準的抗癌剤治療のエビデンスとて、
無治療よりは多少長生きできるという、極めてお粗末な内容であり、
多くの患者さんは、そのエビデンスの真実を知らされていなかったから、
その標準的抗癌剤治療を受けたはずです。
そんなお粗末なエビデンスがなくとも、
その患者さんの現状に合わせた、何らかの治療を進める意義は
十分にあると思います。
治療をしなければ、生きていることができないのです。
確かに、治療を行なっても、結果は同じかもしれません。
しかし、その治療が苦痛を伴うものでなければ、
それは、実行されなければなりません。
但し、注意しなければいけないのは、そこには、
3月23日の「テレビの健康番組の弊害」で書いたとおり、
お財布の口を大きく開けて、
絶望に打ちひしがれているお客さんが、出鱈目な宣伝に引き寄せられ、
ネギを背負ってくるのを待ち構えている、
インチキ治療クリニックがいたるところに存在している事実です。
インターネット上にも無数のそのような、クリニックの宣伝が出ています。
騙されないで下さい。
先日も「最近リンパ球療法を始めた」と言っていた患者さんが来ました。
料金を聞くと、2週間に1回を1コースとして、
はじめに6コース分で160万円必要だそうです。
そのクリニックを私がはじめて知った数年前には、
同じはじめの6コースで120万円であり、
昨年ある患者さんから聞いたところ150万円でした。
治療内容は、ほとんど変わっていないように見えました、
何故、120万円が僅か数年で160万円にまで33%も値上がりするのか不思議です。
私には、40万円の意味が理解できません。
そのクリニックだけが、日本中のデフレからいち早く脱却して、
インフレになっているのでしょうか。
3ヶ月で160万円です。
1年続けたらいくらになるのでしょうか?
その治療で、ガンが治ることは考えられません。
経済的なこともよく考えて、「その後の治療」も決定して下さい。
3月25日に「八王子在住のT」さまから「セカンドオピニオンの実際」
というコメントを頂きました。
そのコメントを見て、正直私自身初めて、
病院がいくらの「相談料」を頂いているのか知りました。
さいたまの病院は、ご家族だけであれば、
30分まで5000円でそれ以上では10000円を頂いている。ことは知っていましたが、
町田胃腸病院で10000円とは知りませんでした。
以前事務の人間は5000円と言っていたように思うのですが・・・・
ガン治療の相談ですから、10分や20分で済むはずはなく、
1時間程度はかかりますから、
ハッキリ言って10000円でも人件費を考えれば病院は赤字です。
申し訳ありませんが、その程度はご容赦下さい。
当然ご本人が来られるのであれば保険診療です。
本日は、最近体調が優れないのですが、
○県立がんセンターから、膵ガンで、
「もはや治療方法はありません。」
「あと1ヶ月程度です。」
と言われた患者さんを、ちょうど一年間診てきて、
その言葉の意味について書きたくなりました。
以上 文責 梅澤 充
「もはや治療方法はありません」という常套句です。
そしてそれに追い討ちをかけるように、
「あと○ヶ月(週)くらいでしょう。」
「ホスピスに行くことを勧めます」
などの、決まり文句が続きます。
確かに、後半の追い討ちの言葉は、真実かも知れません。
無治療でいればほとんどの場合ガンは必ず進行し、
遠くない将来、患者さんの命を奪ってしまいます。
ましてや、標準的抗癌剤治療で散々痛めつけられた身体ですから、
長く生命を維持することは難しいはずです。
しかし、はじめの常套句「治療方法が無い」は、本当でしょうか。
その言葉を発した主治医に
「あなたのご家族でも諦めますか?」
と聞いて下さい。
「ハイ」とは言わないでしょう。
何らかの、奥の手を考えるはずです。
「もはや治療方法はありません」という言葉には、
重要な単語が抜けています。
正確には「もはや標準的な治療方法はありません」
です。
確かに、標準的抗癌剤治療は、
1月18日の「緩和医療」で説明した、
PS(パフォーマンス ステイタス)が0〜1 という、
ガンを背負っていても、全身状態は非常に良く、
普通の日常生活がほとんど不自由なくおくれる患者さんだけが、
治療の対象ですから、
辛く苦しい標準的抗癌剤治療を行なって、
一時は無症状であったガンが縮小するも、
エビデンスどおりに、その抗癌剤が効かなくなり、
ガンが増大してきて、自覚症状を出すような状態に至るという、
標準的抗癌剤治療のお決まりのコースを辿った場合。
まったくエビデンスどおりの教科書的なコースを辿った場合。
「辿った場合」というより、すべての患者さんが「必然的にそうなる」
訳ですが、何れにせよ、
患者さんは抗癌剤の副作用とガンの増大という二重苦に苦しめられ、
PS は治療開始前より遥かに低下していますから、
当然ながら、標準的抗癌剤治療の対象にはなりません。
そこで、標準的抗癌剤治療だけを至高の治療と思い込んでいる、
腫瘍内科医の最後のお仕事である、
「もはや治療方法はありません」という決まり文句の宣告が
ご家族だけを別室に呼び出し、厳かに執り行われます。
○○がんセンターなどのように、
残酷にも、患者さん本人に宣告される場合もあります。
しかし、それは逆に言えば、「標準的ではない治療ならばあります」になります。
しかし、「エビデンスの無い治療はしてはいけない。」と考えておられる、
腫瘍内科医の先生から見ると、その様な言葉は口が腐っても出てきません。
実際に、「もはや治療方法はありません」と、大学病院やがんセンターなどで、
冷たく言い放たれたそのあと、1年以上、長い患者さんでは5年も6年も
元気に自宅で生活されている患者さんを現在でも何人も診ています。
それらの患者さんでは、「治療法が無い」と言われた時より、
皆さん元気になって自宅で生活しています。
残念ながら、一人としてガンが治った患者さんはいませんが、
元気に治療を続けています。
「治療法が無い」などということは、有り得ません。
確かに、全身状態が低下した患者さんでは、
大量の抗癌剤を使う治療は不可能でしょう。
しかし、治療を中止したならば、
間違いなく最悪の結末が○ヶ月後に待っています。
何らかの治療をしたところで、
最悪の結末を見るまでの時間を長くするだけ
かも知れません。
しかし、もしかしたらその結末が遥か先に延ばされる可能性だってあるはずです。
ガン治療は諦めてしまったならばすべてお終いです。
エビデンスのある治療は存在しないことは事実ですが、
そこに至るまで行なってきた標準的抗癌剤治療のエビデンスとて、
無治療よりは多少長生きできるという、極めてお粗末な内容であり、
多くの患者さんは、そのエビデンスの真実を知らされていなかったから、
その標準的抗癌剤治療を受けたはずです。
そんなお粗末なエビデンスがなくとも、
その患者さんの現状に合わせた、何らかの治療を進める意義は
十分にあると思います。
治療をしなければ、生きていることができないのです。
確かに、治療を行なっても、結果は同じかもしれません。
しかし、その治療が苦痛を伴うものでなければ、
それは、実行されなければなりません。
但し、注意しなければいけないのは、そこには、
3月23日の「テレビの健康番組の弊害」で書いたとおり、
お財布の口を大きく開けて、
絶望に打ちひしがれているお客さんが、出鱈目な宣伝に引き寄せられ、
ネギを背負ってくるのを待ち構えている、
インチキ治療クリニックがいたるところに存在している事実です。
インターネット上にも無数のそのような、クリニックの宣伝が出ています。
騙されないで下さい。
先日も「最近リンパ球療法を始めた」と言っていた患者さんが来ました。
料金を聞くと、2週間に1回を1コースとして、
はじめに6コース分で160万円必要だそうです。
そのクリニックを私がはじめて知った数年前には、
同じはじめの6コースで120万円であり、
昨年ある患者さんから聞いたところ150万円でした。
治療内容は、ほとんど変わっていないように見えました、
何故、120万円が僅か数年で160万円にまで33%も値上がりするのか不思議です。
私には、40万円の意味が理解できません。
そのクリニックだけが、日本中のデフレからいち早く脱却して、
インフレになっているのでしょうか。
3ヶ月で160万円です。
1年続けたらいくらになるのでしょうか?
その治療で、ガンが治ることは考えられません。
経済的なこともよく考えて、「その後の治療」も決定して下さい。
3月25日に「八王子在住のT」さまから「セカンドオピニオンの実際」
というコメントを頂きました。
そのコメントを見て、正直私自身初めて、
病院がいくらの「相談料」を頂いているのか知りました。
さいたまの病院は、ご家族だけであれば、
30分まで5000円でそれ以上では10000円を頂いている。ことは知っていましたが、
町田胃腸病院で10000円とは知りませんでした。
以前事務の人間は5000円と言っていたように思うのですが・・・・
ガン治療の相談ですから、10分や20分で済むはずはなく、
1時間程度はかかりますから、
ハッキリ言って10000円でも人件費を考えれば病院は赤字です。
申し訳ありませんが、その程度はご容赦下さい。
当然ご本人が来られるのであれば保険診療です。
本日は、最近体調が優れないのですが、
○県立がんセンターから、膵ガンで、
「もはや治療方法はありません。」
「あと1ヶ月程度です。」
と言われた患者さんを、ちょうど一年間診てきて、
その言葉の意味について書きたくなりました。
以上 文責 梅澤 充



