患者さんは、
いろいろな情報を仕入れてこられます。
「レミケードを使ってもらえないか」
と言ってきた患者さんがいます。
ガン患者さんでは、
レミケード(Infliximab)という名前は聞いたことがないかたも多いと思います。
現在、日本ではリウマチの治療薬として健康保険での使用が認められています。
欧米では他の自己免疫疾患に対しても使われています。
レミケードは免疫活動を司るサイトカインの一つである
TNF-αという血中物質に対する抗体です。
抗体治療薬としては、
ハーツー蛋白に対する抗体である
乳ガン治療薬のハーセプチンや、
VEGFに対する抗体であるアバスチンなどは、
よくご存知と思いますが、
レミケードもその一つで、
リウマチに対する今流行の分子標的薬です。
TNF-αに結合して、
その働きを抑制することで、
リウマチの原因の一つと考えられる免疫力を抑制し、
リウマチの症状を改善させるクスリです。
「免疫力を抑制してしまったらガンには良くないではないか」
と考えてしまうと思いますが、
ガンに対する免疫力は、
7月14日の「ガンと免疫」から
7月15日の「ガンと免疫・続き」
7月16日の「大学教授」まで数日にわたり、
何回も書いたとおり極めて複雑なメカニズムで成り立っています。
TNF-αはガンに対する免疫力を高めるサイトカインである、
インターフェロンγという物質を増加させ、
さらに、一時期、抗腫瘍免疫の主役とも考えられていた、
サイトカイン、IL-12(インターロイキン−12)という物質を
誘導してくるという性質があるように考えられています。
すなわち、抗腫瘍免疫を増強させます。
ただ、何度も書いていますが、
これもあくまで仮説です。
A教授の仮説とチョット違うのは、
多くの人間のデータからの仮説という点です。
しかし、IL-12が本当に抗腫瘍免疫の主役か否かは
あくまで仮説であり真偽のほどは不明です。
しかしレミケードで治療をおこなっている
欧米の自己免疫疾患の患者さんでは、
極めて特殊なガンが多発していることが報告されていますので、
TNF‐αの抑制は、
腫瘍免疫の抑制に繋がり、
やはり免疫を抑制することが、
ガンの発生に繋がっていることは間違いなさそうです。
それでは、
何故、一般には免疫力増強を渇望しているガン患者さんに対して
免疫を抑制するレミケードを使うかというと、
話しは複雑になります。
TNF-αは前述のように、
ガンに対する免疫力を強化する働きがあると考えられており、
一般的にガンが存在している患者さんでは、
その増加が望まれます。
しかし、ガンという病気(人間?)、免疫は、
極めて複雑なメカニズムで絡み合っています。
TNF-αは、その増加により、
前述のインターフェロンγやIL-12という、
いわば“善玉サイトカイン”を増加させます。
しかし、ガンが大きく進行して、
全身状態が悪化してくると、
何故か、TNF-αが凄い勢いで増加している患者さんをたくさん診てきました。
「進んでしまったガンと、シッカリと戦ってくれるため」
と思いきや、
患者さんはTNF-αの増加を見るや、
あっという間に旅立たれてしまう・・・
TNF-αにはIL-1(インターロイキン−1)や
IL-6(インターロイキン−6)などの、
善玉に対抗するかのような“悪玉サイトカイン”も増加させてくれます。
IL-1やIL-6は所謂「悪疫質」へ、
患者さんの身体を誘導するとされています。
すなわち
「全身状態の悪化 → TNF-α増加 → IL-1&IL-6誘導 → 悪疫質 → 死亡」
と誘導されていくように思われます。
そのような状態の時に、
レミケードはTNF-αを阻害することにより、
悪疫質からの改善が得られ、
それが、所謂、末期状態のガン患者さんの、
全身状態の向上に繋がるものと考えられます。
しかし、ガンが進行して全身状態が悪化すると何故、
「TNF-α増加 → 善玉サイトカインの増加 → ガンの改善」
にはならないのかは不明です。
「1ヶ月ですべてのガンが治る」
という素晴らしい治療により、
ノーベル医学賞が受賞されたなら、
その難問もきっと解決されると思いますが、
数百年は無理でしょう・・・・
患者さんの免疫力の測定は、
当然健康保険では認められておらず、
とてもお金がかかるので、
私は、現在まったくおこなっていません。
したがってハッキリしたことは言えませんが、
免疫力を動かすというサプリメントを摂取している患者さんの経過を観ていると、
善玉サイトカインの増加によりガンが良い方向に向いていると
感じられるかたもいますが、
悪玉サイトカインの増加が抑えられているように
感じる患者さんのほうが多いように感じます。
勿論、まったく何も反応していないと思われる患者さんも少なくありません。
また、延命効果のほどはまったく不明ですが、
レミケードと同様に、
悪化した全身状態を大きく改善してくれる確率が高いと
感じられるサプリメントなどもあります。
しかし、それはすべて根拠の無い
ただの私の勘です。
ただ、臨床をまったく知らない某教授の仮説よりは、
実際の患者さんを診ての勘ですから、
現実に近いとは思っていますが・・・・
ガンと免疫との関係は本当に複雑です。
それをシッカリ解明している人間など何処にもいません。
元気なガン患者さんが
安易にレミケードなど使うべきではありません。
また、レミケードはガン患者さんに対しては、
どのような使い方をすればいいのか、
その使用方法は確立されたものはありませんが、
とても高価なクスリであり、
もし、リウマチの治療と同様に使うとすれば、
一月数十万円もかかります。
そして当然、ガンの患者さんでは健康保険では使えません。
1アンプル100mgを月に1回でも十分なようにも感じていますが、
それでも10万円以上はかかります。
ガンと免疫、さらに経済の関係は、
極めて複雑です・・・・
以上 文責 梅澤 充
いろいろな情報を仕入れてこられます。
「レミケードを使ってもらえないか」
と言ってきた患者さんがいます。
ガン患者さんでは、
レミケード(Infliximab)という名前は聞いたことがないかたも多いと思います。
現在、日本ではリウマチの治療薬として健康保険での使用が認められています。
欧米では他の自己免疫疾患に対しても使われています。
レミケードは免疫活動を司るサイトカインの一つである
TNF-αという血中物質に対する抗体です。
抗体治療薬としては、
ハーツー蛋白に対する抗体である
乳ガン治療薬のハーセプチンや、
VEGFに対する抗体であるアバスチンなどは、
よくご存知と思いますが、
レミケードもその一つで、
リウマチに対する今流行の分子標的薬です。
TNF-αに結合して、
その働きを抑制することで、
リウマチの原因の一つと考えられる免疫力を抑制し、
リウマチの症状を改善させるクスリです。
「免疫力を抑制してしまったらガンには良くないではないか」
と考えてしまうと思いますが、
ガンに対する免疫力は、
7月14日の「ガンと免疫」から
7月15日の「ガンと免疫・続き」
7月16日の「大学教授」まで数日にわたり、
何回も書いたとおり極めて複雑なメカニズムで成り立っています。
TNF-αはガンに対する免疫力を高めるサイトカインである、
インターフェロンγという物質を増加させ、
さらに、一時期、抗腫瘍免疫の主役とも考えられていた、
サイトカイン、IL-12(インターロイキン−12)という物質を
誘導してくるという性質があるように考えられています。
すなわち、抗腫瘍免疫を増強させます。
ただ、何度も書いていますが、
これもあくまで仮説です。
A教授の仮説とチョット違うのは、
多くの人間のデータからの仮説という点です。
しかし、IL-12が本当に抗腫瘍免疫の主役か否かは
あくまで仮説であり真偽のほどは不明です。
しかしレミケードで治療をおこなっている
欧米の自己免疫疾患の患者さんでは、
極めて特殊なガンが多発していることが報告されていますので、
TNF‐αの抑制は、
腫瘍免疫の抑制に繋がり、
やはり免疫を抑制することが、
ガンの発生に繋がっていることは間違いなさそうです。
それでは、
何故、一般には免疫力増強を渇望しているガン患者さんに対して
免疫を抑制するレミケードを使うかというと、
話しは複雑になります。
TNF-αは前述のように、
ガンに対する免疫力を強化する働きがあると考えられており、
一般的にガンが存在している患者さんでは、
その増加が望まれます。
しかし、ガンという病気(人間?)、免疫は、
極めて複雑なメカニズムで絡み合っています。
TNF-αは、その増加により、
前述のインターフェロンγやIL-12という、
いわば“善玉サイトカイン”を増加させます。
しかし、ガンが大きく進行して、
全身状態が悪化してくると、
何故か、TNF-αが凄い勢いで増加している患者さんをたくさん診てきました。
「進んでしまったガンと、シッカリと戦ってくれるため」
と思いきや、
患者さんはTNF-αの増加を見るや、
あっという間に旅立たれてしまう・・・
TNF-αにはIL-1(インターロイキン−1)や
IL-6(インターロイキン−6)などの、
善玉に対抗するかのような“悪玉サイトカイン”も増加させてくれます。
IL-1やIL-6は所謂「悪疫質」へ、
患者さんの身体を誘導するとされています。
すなわち
「全身状態の悪化 → TNF-α増加 → IL-1&IL-6誘導 → 悪疫質 → 死亡」
と誘導されていくように思われます。
そのような状態の時に、
レミケードはTNF-αを阻害することにより、
悪疫質からの改善が得られ、
それが、所謂、末期状態のガン患者さんの、
全身状態の向上に繋がるものと考えられます。
しかし、ガンが進行して全身状態が悪化すると何故、
「TNF-α増加 → 善玉サイトカインの増加 → ガンの改善」
にはならないのかは不明です。
「1ヶ月ですべてのガンが治る」
という素晴らしい治療により、
ノーベル医学賞が受賞されたなら、
その難問もきっと解決されると思いますが、
数百年は無理でしょう・・・・
患者さんの免疫力の測定は、
当然健康保険では認められておらず、
とてもお金がかかるので、
私は、現在まったくおこなっていません。
したがってハッキリしたことは言えませんが、
免疫力を動かすというサプリメントを摂取している患者さんの経過を観ていると、
善玉サイトカインの増加によりガンが良い方向に向いていると
感じられるかたもいますが、
悪玉サイトカインの増加が抑えられているように
感じる患者さんのほうが多いように感じます。
勿論、まったく何も反応していないと思われる患者さんも少なくありません。
また、延命効果のほどはまったく不明ですが、
レミケードと同様に、
悪化した全身状態を大きく改善してくれる確率が高いと
感じられるサプリメントなどもあります。
しかし、それはすべて根拠の無い
ただの私の勘です。
ただ、臨床をまったく知らない某教授の仮説よりは、
実際の患者さんを診ての勘ですから、
現実に近いとは思っていますが・・・・
ガンと免疫との関係は本当に複雑です。
それをシッカリ解明している人間など何処にもいません。
元気なガン患者さんが
安易にレミケードなど使うべきではありません。
また、レミケードはガン患者さんに対しては、
どのような使い方をすればいいのか、
その使用方法は確立されたものはありませんが、
とても高価なクスリであり、
もし、リウマチの治療と同様に使うとすれば、
一月数十万円もかかります。
そして当然、ガンの患者さんでは健康保険では使えません。
1アンプル100mgを月に1回でも十分なようにも感じていますが、
それでも10万円以上はかかります。
ガンと免疫、さらに経済の関係は、
極めて複雑です・・・・
以上 文責 梅澤 充



