昨日の「アバスチンの効果」
について幾つかのコメントをいただきました。
まいくまさんが面白いコメントを寄せてくれました。
一部再掲します。
そのとおりだと思います。
勿論、カプランマイヤーの生存曲線の右端の方に、
限りなくゼロに近くギリギリのところで、
踏み止まっている、
ごく一握りのラッキーな患者さんは存在します。
すなわち、エビデンスどおりの治療でも、
数千人のうち数名は、
何年も生きていることができる、
ということです。
しかし、その確率たるや、
「ア○リ○スでガンが治る」のと同程度ではないでしょうか。
また、もしかするとごく稀なそれらの患者さんは、
ア○リ○スだけでもそれだけの期間に生きていられたのかもしれません。
現在の根治不能の状態のガンに対する標準治療とは、
行き先も、到着時刻もシッカリと決められた、
強制収容所行きの列車に乗るようなものかも知れません。
そして、その乗り心地たるや、
惨憺たるものです。
収容所直行の列車に乗ったその瞬間から、
患者さんの運命は決まってしまっているとも考えられます。
まいくまさんの逆説的な論法はとても興味深く読ませていただきました。
素敵なコメントをありがとうございました。
まいくまさんと同様の考えの患者さんが、
ご自信で考えたまったくエビデンスも無く、
健康保険の適応も無い治療を明日受けに来られる予定です。
本日もそのような患者さんが、
町田まで治療に来られています。
エビデンスどおりに、
行き先の決まった列車に乗ることを拒んだ患者さんです。
しかし、私のおこなっている治療も
残念ながら多くの患者さんでは、
到着時刻は未定ですが、
概ね行き先は決まっています。
私ができることは、
可能な限りその乗り心地を良くすることと、
到着時間を限りなく遅くさせ、
車窓の景色をできるだけたくさん楽しんでいただくことだけです。
したがって、
はじめて来られた患者さんでは、
ご乗車を拒否することもあります。
根治という目的地が見えているような患者さんの場合です。
乗り心地は悪いことが予想されても、
私の列車へのご乗車はお断りして、
そちらに乗っていただくことをお勧めしています。
私が抗癌剤治療をおこなうよりも、
手術や放射線治療により根治への道が
残されているような患者さんの場合です。
しかし、私の治療や、
昨日のアバスチンのような薬剤による延命治療でも、
その延命期間の間に、
さらに延命が可能な治療方法が開発されるという可能性も残されています。
そして、その先には、
根治への道が開けているかも知れません。
昔はハーツー遺伝子という
厄介な遺伝子を持った乳ガンでは、
抗癌剤は非常に効きが悪く、
年単位で長生きできる患者さんはほとんどいませんでした。
しかし今までは、
ハーセプチンの登場により、
年単位で元気に生活することは当たり前です。
そして、つい最近までは、
ハーセプチンというクスリが効かなくなると、
次ぎに効いてくれるクスリはほとんどありませんでしたが、
現在ではタイカーブ(国によりタイバーブ)という
分子標的薬が開発されてハーセプチンが無効になっても、
まだまだ長生きができるようになりました。
このようにクスリのリレー、
言い換えれば、
命のリレーは、
確実に進んできています。
諦めること無く、
着実な治療を続ければ、
明るい未来が開けてくる可能性は十分にあります。
もう一つ、霞さんからのコメント、
さじ加減は極めて重要です。
ただし霞さんの場合、
その主治医のもとでは、
「治療方法は無い」
だけの話しであり、
アバスチンの出番はまだありそうに感じます。
諦めないでください。
以上 文責 梅澤 充
について幾つかのコメントをいただきました。
まいくまさんが面白いコメントを寄せてくれました。
一部再掲します。
「エビデンスに基づく治療」を「データに従ったデータ通りの治療」
と狭くとらえると、エビデンス通りの治療を行うに至った段階で
(30ヶ月に延びたにせよ)白旗をあげる、
という逆説めいたことになります。
つまり、あきらめないためには、いかにエビデンスに従わない治療を
続けられるかにかかっている、ということに、理屈のうえではなってしまいます。
そのとおりだと思います。
勿論、カプランマイヤーの生存曲線の右端の方に、
限りなくゼロに近くギリギリのところで、
踏み止まっている、
ごく一握りのラッキーな患者さんは存在します。
すなわち、エビデンスどおりの治療でも、
数千人のうち数名は、
何年も生きていることができる、
ということです。
しかし、その確率たるや、
「ア○リ○スでガンが治る」のと同程度ではないでしょうか。
また、もしかするとごく稀なそれらの患者さんは、
ア○リ○スだけでもそれだけの期間に生きていられたのかもしれません。
現在の根治不能の状態のガンに対する標準治療とは、
行き先も、到着時刻もシッカリと決められた、
強制収容所行きの列車に乗るようなものかも知れません。
そして、その乗り心地たるや、
惨憺たるものです。
収容所直行の列車に乗ったその瞬間から、
患者さんの運命は決まってしまっているとも考えられます。
まいくまさんの逆説的な論法はとても興味深く読ませていただきました。
素敵なコメントをありがとうございました。
まいくまさんと同様の考えの患者さんが、
ご自信で考えたまったくエビデンスも無く、
健康保険の適応も無い治療を明日受けに来られる予定です。
本日もそのような患者さんが、
町田まで治療に来られています。
エビデンスどおりに、
行き先の決まった列車に乗ることを拒んだ患者さんです。
しかし、私のおこなっている治療も
残念ながら多くの患者さんでは、
到着時刻は未定ですが、
概ね行き先は決まっています。
私ができることは、
可能な限りその乗り心地を良くすることと、
到着時間を限りなく遅くさせ、
車窓の景色をできるだけたくさん楽しんでいただくことだけです。
したがって、
はじめて来られた患者さんでは、
ご乗車を拒否することもあります。
根治という目的地が見えているような患者さんの場合です。
乗り心地は悪いことが予想されても、
私の列車へのご乗車はお断りして、
そちらに乗っていただくことをお勧めしています。
私が抗癌剤治療をおこなうよりも、
手術や放射線治療により根治への道が
残されているような患者さんの場合です。
しかし、私の治療や、
昨日のアバスチンのような薬剤による延命治療でも、
その延命期間の間に、
さらに延命が可能な治療方法が開発されるという可能性も残されています。
そして、その先には、
根治への道が開けているかも知れません。
昔はハーツー遺伝子という
厄介な遺伝子を持った乳ガンでは、
抗癌剤は非常に効きが悪く、
年単位で長生きできる患者さんはほとんどいませんでした。
しかし今までは、
ハーセプチンの登場により、
年単位で元気に生活することは当たり前です。
そして、つい最近までは、
ハーセプチンというクスリが効かなくなると、
次ぎに効いてくれるクスリはほとんどありませんでしたが、
現在ではタイカーブ(国によりタイバーブ)という
分子標的薬が開発されてハーセプチンが無効になっても、
まだまだ長生きができるようになりました。
このようにクスリのリレー、
言い換えれば、
命のリレーは、
確実に進んできています。
諦めること無く、
着実な治療を続ければ、
明るい未来が開けてくる可能性は十分にあります。
もう一つ、霞さんからのコメント、
私も新薬、新薬と願ったのに肝心の体が抗癌剤でボロボロになったとはね。
この辺のやはり投与量のさじ加減が重要だったなんて
当初の私にどうして知ることが出来よう。
さじ加減は極めて重要です。
ただし霞さんの場合、
その主治医のもとでは、
「治療方法は無い」
だけの話しであり、
アバスチンの出番はまだありそうに感じます。
諦めないでください。
以上 文責 梅澤 充