本日も乳ガンの患者さんは何人も来られましたが、
その中で、
稀有な経過を辿っている、
患者さんがお二人来られました。
お二人とも、
治療を開始してから6年前後になります。
お一人は、
手術をしていません。
乳ガン発見時にすでに全身骨転移が見つかり、
手術は行いませんでした。
一般に他臓器転移がある乳ガンでは、
手術により原発の乳ガンを切除しても、
生命予後の改善に寄与することは無いので、
手術はしません。
ただし、乳腺内部からガンが皮膚を食い破り顔を出してくると、
そこから出血が起こったり、
さらにそのガンが成長すると、
その一部が腐敗したりして、
著しくQOLを低下させますので、
その場合には手術を行うこともあります。
本日の患者さんの場合は、
乳ガンそのものは小さく、
QOLを心配する必要は無いので手術はしていません。
しかし抗癌剤治療を強く嫌っていたため、
ホルモン剤とサプリメントだけで経過を診ていました。
ゾメタが健康保険で使えるようになってからは、
月に一回ゾメタの点滴も併用しています。
その患者さんのガンは乳腺以外では骨だけで、
画像診断ではその経過は追い難いタイプであり、
腫瘍マーカーが、
大きな指標になっています。
ここ数年、腫瘍マーカーが低値で安定し調子が良いということで、
サプリメントの量をご自身の判断で半分にしたら、
急に腫瘍マーカーが増加してきました。
サプリメントを元の量に戻すと再び腫瘍マーカーは低下してきました。
それを見るとサプリメントもその患者さんには
良く効いているようです。
しかし、その患者さんが特異なのはそれだけではありません。
前回採血した腫瘍マーカーの結果を本日見ると、
増加していました。
患者さん曰く
「上がっていると思っていました」
理由を聞くと、
「コレステロールと中性脂肪が下がっているでしょ、
私は、そういう食生活にするとマーカーが上がる傾向にあるのです」
「今回も食事を節制していたから上がっていると思っていました」
・・・・・
確かに、コレステロールは下がっていました。
しかし、一般的にガンに良いとされる食生活では、
コレステロールや中性脂肪は下がってきます。
その患者さんにとっては、
むしろ不摂生な食生活の方が、
ガンには良い方向に働くようです。
今は、クスリの発達もあり、
うるさくは言いませんが、
昔は、「乳ガンは太れば再発する」
と言われた病気です。
それが、むしろ太るような食生活のほうがガンに良い!
ガンは本当に奥が深い病気です・・・・
もう一方の乳ガン患者さんは、
約6年前に手術をするや、
間も無く肺転移が確認され、
同時に腫瘍マーカーも大きく増大しました。
そのガンはハーツー蛋白陽性でした。
したがってハーセプチンを使いました。
当時、ハーセプチンは最大量のタキソールという抗癌剤と
併用で使われるのが普通でしたが、
それほど大きな延命は期待できず、
頑張っても2年程度でした。
しかし、その患者さんの場合は、
ハーセプチンを単独で使いはじめた途端に
CTでの画像診断上はほとんど変化はありませんでしたが、
腫瘍マーカーは大きく下がりました。
2ヶ月もしないで正常化しました。
その後も画像上は変化が無いため、
2年以上ハーセプチンを使い続けました。
しかし、まったく変化が無く、
腫瘍マーカーも正常化したままでしたので、
ハーセプチンを止めて、
ホルモン剤だけで1年ほど経過を見た後、
肺の腫瘍を切除する手術を行いました。
術前のPET検査でも肺にも、
他の部位にもガンの存在を疑わせる所見は無く、
切除した部分の顕微鏡検査でもガン細胞は見つかりませんでした。
ハーセプチンだけで肺転移が完全に消失したことになります。
それをみて、「ガンが治った」
と思った矢先に、
今度は胸部の皮膚の下にシコリが出てきました。
PET検査でもガンと診断されました。
再度ハーセプチンを使いましたが、
一時縮小したものの、
消えることはなかったので、
ピンポイントの放射線治療をおこない、
完全な消失をみました。
そして、ガンがいなくなった状態で現在に至っています。
予防的にハーセプチンだけはまだ使い続けていますが、
術後すぐの肺転移再発という、
一般的には極めて予後不良が予測される状態から、
現在のCancer Free(ガンが見えない)の状態にまで、
至っている珍しいケースです。
ガンは、
患者さん同様、
ほんとに個性豊かな病気です。
型にはまった治療がアタル患者さんも稀にはいますが、
その豊かな個性をシッカリと見極めて、
個々のガンに合わせた治療を考えた方が
遥かに長生きできると思います。
以上 文責 梅澤 充
その中で、
稀有な経過を辿っている、
患者さんがお二人来られました。
お二人とも、
治療を開始してから6年前後になります。
お一人は、
手術をしていません。
乳ガン発見時にすでに全身骨転移が見つかり、
手術は行いませんでした。
一般に他臓器転移がある乳ガンでは、
手術により原発の乳ガンを切除しても、
生命予後の改善に寄与することは無いので、
手術はしません。
ただし、乳腺内部からガンが皮膚を食い破り顔を出してくると、
そこから出血が起こったり、
さらにそのガンが成長すると、
その一部が腐敗したりして、
著しくQOLを低下させますので、
その場合には手術を行うこともあります。
本日の患者さんの場合は、
乳ガンそのものは小さく、
QOLを心配する必要は無いので手術はしていません。
しかし抗癌剤治療を強く嫌っていたため、
ホルモン剤とサプリメントだけで経過を診ていました。
ゾメタが健康保険で使えるようになってからは、
月に一回ゾメタの点滴も併用しています。
その患者さんのガンは乳腺以外では骨だけで、
画像診断ではその経過は追い難いタイプであり、
腫瘍マーカーが、
大きな指標になっています。
ここ数年、腫瘍マーカーが低値で安定し調子が良いということで、
サプリメントの量をご自身の判断で半分にしたら、
急に腫瘍マーカーが増加してきました。
サプリメントを元の量に戻すと再び腫瘍マーカーは低下してきました。
それを見るとサプリメントもその患者さんには
良く効いているようです。
しかし、その患者さんが特異なのはそれだけではありません。
前回採血した腫瘍マーカーの結果を本日見ると、
増加していました。
患者さん曰く
「上がっていると思っていました」
理由を聞くと、
「コレステロールと中性脂肪が下がっているでしょ、
私は、そういう食生活にするとマーカーが上がる傾向にあるのです」
「今回も食事を節制していたから上がっていると思っていました」
・・・・・
確かに、コレステロールは下がっていました。
しかし、一般的にガンに良いとされる食生活では、
コレステロールや中性脂肪は下がってきます。
その患者さんにとっては、
むしろ不摂生な食生活の方が、
ガンには良い方向に働くようです。
今は、クスリの発達もあり、
うるさくは言いませんが、
昔は、「乳ガンは太れば再発する」
と言われた病気です。
それが、むしろ太るような食生活のほうがガンに良い!
ガンは本当に奥が深い病気です・・・・
もう一方の乳ガン患者さんは、
約6年前に手術をするや、
間も無く肺転移が確認され、
同時に腫瘍マーカーも大きく増大しました。
そのガンはハーツー蛋白陽性でした。
したがってハーセプチンを使いました。
当時、ハーセプチンは最大量のタキソールという抗癌剤と
併用で使われるのが普通でしたが、
それほど大きな延命は期待できず、
頑張っても2年程度でした。
しかし、その患者さんの場合は、
ハーセプチンを単独で使いはじめた途端に
CTでの画像診断上はほとんど変化はありませんでしたが、
腫瘍マーカーは大きく下がりました。
2ヶ月もしないで正常化しました。
その後も画像上は変化が無いため、
2年以上ハーセプチンを使い続けました。
しかし、まったく変化が無く、
腫瘍マーカーも正常化したままでしたので、
ハーセプチンを止めて、
ホルモン剤だけで1年ほど経過を見た後、
肺の腫瘍を切除する手術を行いました。
術前のPET検査でも肺にも、
他の部位にもガンの存在を疑わせる所見は無く、
切除した部分の顕微鏡検査でもガン細胞は見つかりませんでした。
ハーセプチンだけで肺転移が完全に消失したことになります。
それをみて、「ガンが治った」
と思った矢先に、
今度は胸部の皮膚の下にシコリが出てきました。
PET検査でもガンと診断されました。
再度ハーセプチンを使いましたが、
一時縮小したものの、
消えることはなかったので、
ピンポイントの放射線治療をおこない、
完全な消失をみました。
そして、ガンがいなくなった状態で現在に至っています。
予防的にハーセプチンだけはまだ使い続けていますが、
術後すぐの肺転移再発という、
一般的には極めて予後不良が予測される状態から、
現在のCancer Free(ガンが見えない)の状態にまで、
至っている珍しいケースです。
ガンは、
患者さん同様、
ほんとに個性豊かな病気です。
型にはまった治療がアタル患者さんも稀にはいますが、
その豊かな個性をシッカリと見極めて、
個々のガンに合わせた治療を考えた方が
遥かに長生きできると思います。
以上 文責 梅澤 充



