「病院から脱走した」というコメントをいただきましたが、
昔、私がまだ研修医だった頃、
本当に脱走の常習犯だった患者さんがいました。
二十数年前、毎週大学から派遣で、
アルバイト(研修?)に行っていた、
茨城県のとある日赤病院でのことです。
大酒飲みの肝硬変、食道静脈瘤の患者さんでした。
どの医者が「酒を止めろ」と、
何回言っても馬耳東風。
「酒止めるなら死んだほうがイイ」
が口癖でした。
丁度私が当直だった夜中に、
その患者さんが脱走しました。
はじめてではありません。
また何処かで飲んでいるに違いない。
ということで、
先ず、自宅、それから、
近隣でお酒の飲める店に片っ端から電話をしましたが、
見つかりませんでした。
どんなに素行の悪い患者さんでも、
入院中に病院からいなくなれば、
多少は病院も責任を負わされます。
必死に探しましたが、
見つかりませんでした。
一人の看護師が、
「もしかして」と言って、
屋上に上ってみると、
一升瓶を抱えて眠り込んでいるその患者さんを発見しました。
同様のことが、他の患者さんでも何回もありました。
のどかな時代でした。
その患者さんは、
数日後に、食道静脈瘤の破裂による、
大量の吐血により死亡しました。
即死に近いような状態でした。
それも、私の当直の日の夜中で、
看護師に呼ばれて部屋に行くと、
病室のカーテンが真っ赤に染まっていたのを
今でも鮮明に覚えています。
止血を試みましたが、
焼け石に水でした。
大好きな酒を止めていても、
結果は同じだったかも知れません。
好きな酒を好きなだけ飲んでの大往生だと思います。
ここ数日食事療法のことを書き、
また、コメントもいただいていますが、
確実に効果のある食事療法など存在しません。
どんな食事療法でも、
稀には効く患者さんもいる、
程度の効果です。
しかし、患者さんの食べたいという欲求は、
間違いなく押さえつけられてしまいます。
標準的抗癌剤治療とて同じです。
エビデンスどおりに
「無治療よりは○カ月長く生きることができる」
という僅かな恩恵のために、
ほぼすべての患者さんは、
小さくはない副作用に苦しめられます。
多くの患者さんは、
その事実を知らないから、
辛い治療を耐え忍んで受けているのではないでしょうか。
事実を知ったなら、
即座に“脱走”する患者さんがあとを絶たないような気がします。
本日は、
「脱走」という言葉で、
遥か昔の青年外科医であった頃の出来事を思い出しました。
また、その病院では、
脱走ではありませんでしたが、
服薬自殺で運ばれてきた患者さんが、
幸い治療の甲斐があって一命を取りとめ、
その後、元気になって、
外泊に出た日に、
ご自宅で焼身自殺をするという出来事もありました。
その患者さんも、
ご自信の意思を貫き通した一生だったと思います。
今思うと、
メチャクチャ忙しい病院でしたが、
あらゆることを勉強させてもらった最高の研修病院でした。
あの頃が懐かしく思い出されます。
今の私は、
現在の生活から脱走したい気分です・・・・
以上 文責 梅澤 充
昔、私がまだ研修医だった頃、
本当に脱走の常習犯だった患者さんがいました。
二十数年前、毎週大学から派遣で、
アルバイト(研修?)に行っていた、
茨城県のとある日赤病院でのことです。
大酒飲みの肝硬変、食道静脈瘤の患者さんでした。
どの医者が「酒を止めろ」と、
何回言っても馬耳東風。
「酒止めるなら死んだほうがイイ」
が口癖でした。
丁度私が当直だった夜中に、
その患者さんが脱走しました。
はじめてではありません。
また何処かで飲んでいるに違いない。
ということで、
先ず、自宅、それから、
近隣でお酒の飲める店に片っ端から電話をしましたが、
見つかりませんでした。
どんなに素行の悪い患者さんでも、
入院中に病院からいなくなれば、
多少は病院も責任を負わされます。
必死に探しましたが、
見つかりませんでした。
一人の看護師が、
「もしかして」と言って、
屋上に上ってみると、
一升瓶を抱えて眠り込んでいるその患者さんを発見しました。
同様のことが、他の患者さんでも何回もありました。
のどかな時代でした。
その患者さんは、
数日後に、食道静脈瘤の破裂による、
大量の吐血により死亡しました。
即死に近いような状態でした。
それも、私の当直の日の夜中で、
看護師に呼ばれて部屋に行くと、
病室のカーテンが真っ赤に染まっていたのを
今でも鮮明に覚えています。
止血を試みましたが、
焼け石に水でした。
大好きな酒を止めていても、
結果は同じだったかも知れません。
好きな酒を好きなだけ飲んでの大往生だと思います。
ここ数日食事療法のことを書き、
また、コメントもいただいていますが、
確実に効果のある食事療法など存在しません。
どんな食事療法でも、
稀には効く患者さんもいる、
程度の効果です。
しかし、患者さんの食べたいという欲求は、
間違いなく押さえつけられてしまいます。
標準的抗癌剤治療とて同じです。
エビデンスどおりに
「無治療よりは○カ月長く生きることができる」
という僅かな恩恵のために、
ほぼすべての患者さんは、
小さくはない副作用に苦しめられます。
多くの患者さんは、
その事実を知らないから、
辛い治療を耐え忍んで受けているのではないでしょうか。
事実を知ったなら、
即座に“脱走”する患者さんがあとを絶たないような気がします。
本日は、
「脱走」という言葉で、
遥か昔の青年外科医であった頃の出来事を思い出しました。
また、その病院では、
脱走ではありませんでしたが、
服薬自殺で運ばれてきた患者さんが、
幸い治療の甲斐があって一命を取りとめ、
その後、元気になって、
外泊に出た日に、
ご自宅で焼身自殺をするという出来事もありました。
その患者さんも、
ご自信の意思を貫き通した一生だったと思います。
今思うと、
メチャクチャ忙しい病院でしたが、
あらゆることを勉強させてもらった最高の研修病院でした。
あの頃が懐かしく思い出されます。
今の私は、
現在の生活から脱走したい気分です・・・・
以上 文責 梅澤 充



