昨年、大腸ガン治療に対して、
日本でもやっと認可されたアバスチンには、
イロイロな副作用があります。
最近、厳しい使用制限も解け、
かなり自由に使えるようになりました。
勿論、直腸・大腸ガンに対しては健康保険の適応です。
一般的な細胞毒である抗癌剤のように
嘔気・嘔吐、脱毛、全身倦怠感、神経症害などの、
身体が直接感じる副作用は非常に少ないのですが、
命を落とすような重篤な副作用が突然現れる可能性があることが知られています。
今のところ日本人での統計では
その頻度は0.5%程度と高くはありませんが、
1000人の患者さんに対して使うと、
5人のかたが亡くなるとなると、
穏やかではありません。
しかし、大腸ガンの標準的抗癌剤治療でも、
その倍以上の治療関連死、
すなわち、副作用死があるといわれますので、
取り立てて心配するような数字ではありません。
そのアバスチンの副作用で特異的なのは、
腸管穿孔です。
突然腸に穴が開いて腹膜炎を惹起します。
現在、何人もの患者さんにアバスチンを使っていますが、
確率が低いとはいえやはり心配です。
先日、ある大腸ガンが再発している患者さんに
「来週からアバスチンを使いましょう」
と言って、
次回から外来でアバスチンを使うことを決めた患者さんがいます。
ところが、その数日後に
腸管穿孔による腹膜炎にて、
夜中緊急入院してきました。
そのような兆候はまったく無かったので、
ビックリしました。
と同時に、
胸を撫で下ろしました。
もし、「来週から」
ではなく、
「今日から使いましょう」だったら・・・・
腸管穿孔はアバスチンの副作用にされてしまいます。
患者さんの病気を良くしようと考えての正当な使い方であっても、
自分が使ったクスリで、
患者さんが死に瀕する状況になったとなると、
気持ちの良いものではありません。
それが、まったく原因不明の
アバスチンを使う前の穿孔であれば、
誰も恨まれませんし、
後悔もありません。
昨日の「無罪判決」で書いたような、
モンスターペイシェントでも、
文句の言いようがありません。
アバスチンの副作用での腸管穿孔には、
同様の事例も含まれているようにも思います。
「アバスチンで穴が開いた」
のではなく、
「たまたま、穴が開いた時に、アバスチンを使っていた」
ということもあるような気がします。
腸に穴が開く、
そして、それは死亡に繋がる。
それは事実ですが、
その確率は極めて低いこと、
また、この患者さんのように、
それを使わなくても、
勝手に?穴が開いてしまう患者さんもいます。
ガン治療は、場合により確率が非常に重要です。
アバスチンを使えば、
長生きができるという、
シッカリとした統計データが出ています。
勿論、それが万人にあてはなるものではないことは
何回も書いているとおりですが・・・・
昨年日本で承認される前には、
輸入しなければならず、
非常に高価でした。
それでも、アバスチンを使いたいという患者さんは、
後を絶たず、
何人にも輸入のアバスチンを使ってきました。
それにより、あと1月も無いという、
絶望的な状態から回避して、
1年以上元気に生活された患者さんもいます。
また、同時に使いたいけれど、
その値段故使えないという患者さんも無数に見た来ました。
それが、健康保険で使えるようになったのですから、
その恩恵を放棄することは愚かなことだと考えます。
ガンという病気は、
進行すれば人の命を奪います。
それだけは間違いの無い事実です。
そのガンの本質を理解して、
副作用を必要以上に恐れず、
ありがたい恩恵にあずかる方が、
トクだと思います。
以上 文責 梅澤 充
日本でもやっと認可されたアバスチンには、
イロイロな副作用があります。
最近、厳しい使用制限も解け、
かなり自由に使えるようになりました。
勿論、直腸・大腸ガンに対しては健康保険の適応です。
一般的な細胞毒である抗癌剤のように
嘔気・嘔吐、脱毛、全身倦怠感、神経症害などの、
身体が直接感じる副作用は非常に少ないのですが、
命を落とすような重篤な副作用が突然現れる可能性があることが知られています。
今のところ日本人での統計では
その頻度は0.5%程度と高くはありませんが、
1000人の患者さんに対して使うと、
5人のかたが亡くなるとなると、
穏やかではありません。
しかし、大腸ガンの標準的抗癌剤治療でも、
その倍以上の治療関連死、
すなわち、副作用死があるといわれますので、
取り立てて心配するような数字ではありません。
そのアバスチンの副作用で特異的なのは、
腸管穿孔です。
突然腸に穴が開いて腹膜炎を惹起します。
現在、何人もの患者さんにアバスチンを使っていますが、
確率が低いとはいえやはり心配です。
先日、ある大腸ガンが再発している患者さんに
「来週からアバスチンを使いましょう」
と言って、
次回から外来でアバスチンを使うことを決めた患者さんがいます。
ところが、その数日後に
腸管穿孔による腹膜炎にて、
夜中緊急入院してきました。
そのような兆候はまったく無かったので、
ビックリしました。
と同時に、
胸を撫で下ろしました。
もし、「来週から」
ではなく、
「今日から使いましょう」だったら・・・・
腸管穿孔はアバスチンの副作用にされてしまいます。
患者さんの病気を良くしようと考えての正当な使い方であっても、
自分が使ったクスリで、
患者さんが死に瀕する状況になったとなると、
気持ちの良いものではありません。
それが、まったく原因不明の
アバスチンを使う前の穿孔であれば、
誰も恨まれませんし、
後悔もありません。
昨日の「無罪判決」で書いたような、
モンスターペイシェントでも、
文句の言いようがありません。
アバスチンの副作用での腸管穿孔には、
同様の事例も含まれているようにも思います。
「アバスチンで穴が開いた」
のではなく、
「たまたま、穴が開いた時に、アバスチンを使っていた」
ということもあるような気がします。
腸に穴が開く、
そして、それは死亡に繋がる。
それは事実ですが、
その確率は極めて低いこと、
また、この患者さんのように、
それを使わなくても、
勝手に?穴が開いてしまう患者さんもいます。
ガン治療は、場合により確率が非常に重要です。
アバスチンを使えば、
長生きができるという、
シッカリとした統計データが出ています。
勿論、それが万人にあてはなるものではないことは
何回も書いているとおりですが・・・・
昨年日本で承認される前には、
輸入しなければならず、
非常に高価でした。
それでも、アバスチンを使いたいという患者さんは、
後を絶たず、
何人にも輸入のアバスチンを使ってきました。
それにより、あと1月も無いという、
絶望的な状態から回避して、
1年以上元気に生活された患者さんもいます。
また、同時に使いたいけれど、
その値段故使えないという患者さんも無数に見た来ました。
それが、健康保険で使えるようになったのですから、
その恩恵を放棄することは愚かなことだと考えます。
ガンという病気は、
進行すれば人の命を奪います。
それだけは間違いの無い事実です。
そのガンの本質を理解して、
副作用を必要以上に恐れず、
ありがたい恩恵にあずかる方が、
トクだと思います。
以上 文責 梅澤 充